こんにちは。PonkotsuPhotoです。
一眼カメラを始めてみたいけど、何となく難しそう。一眼カメラを買ったはいいけど、設定の仕方がよく分からない。と悩んでいませんか?
一眼カメラを始めるには結構なお金がかかるので、使いきれる保証が欲しいですよね。ご安心ください。実は一眼カメラの使い方は、思っているよりもずっと簡単なのです。
なぜなら、一眼カメラの基本設定は、"光をどのようにカメラに取り込むか"という設定をしているだけだからです。
私も義務教育を終えたばかりの頃に、全くの未経験から一眼カメラの世界に飛び込みましたが、基本的な設定は独学でも十分理解できました。
そもそも、カメラの理論は完璧に理解できなくても大丈夫です。理屈を完璧に理解していなくても、スマートフォンを日常的に使うことができるのと同じです。
ただし、基本的な部分を"何となく"理解しているだけでも、撮れる写真の幅が格段に広がるのは間違いありません。
そこで今回は、初心者がつまずきやすい一眼カメラの基本設定の中から、特に重要な2つの設定について"ざっくりと"解説していきます。
専門用語は簡単な言葉と一緒に使っていますので、ぜひ最後までご覧ください!
写真は光が全て
私たちが物を見ることができるのは、光があるからです。光が物に当たり、その反射した光を見ることで、私たちは物の形や色を判別しています。
カメラも同じです。物が反射した光をレンズから取り入れて、形や色の情報をセンサーが判別して記録しているのです。
つまり、光が無ければ写真を撮ることはできません。突き詰めると、一眼カメラの設定は"カメラの中に光を入れる設定"をしているだけと言えます。
ここまで言い切るのは極論ですが、こう聞くと理解できそうな気がしてきませんか?
この記事のゴール
早速結論ですが、今回の記事のゴールは、初心者の方が感じている一眼カメラへのハードルを少しでも低くすることです。
例えば、スマートフォンのカメラで「写真を撮るのが難しい」とは思わないですよね?それはなぜでしょうか?
それは、スマートフォンではシャッターボタンを一つ押すだけで、簡単に写真が撮れるからです。写真を撮るという事に対してのハードルが低いといってもいいでしょう。
一方で、一眼カメラには何となく使い方が難しそうという印象があります。私も一眼カメラを始める前は、一眼カメラではとてつもなく難しい設定をしないと写真が撮れないとばかり思っていました。
しかし、実際はそんなことはありません。実はスマートフォンのカメラも一眼カメラも、内部でやっていることは同じなのです。下の画像をご覧ください。
ここではiPhoneを例に見ていきましょう。iPhoneのアルバムから写真を選び、ⓘボタンを押すと、写真の情報が見られます。何やら小難しい用語が並んでいますね。この用語は、写真を撮影した時にどんな設定で撮影したかの情報であり、実は一眼カメラでも全く同じものが使われているのです。スマートフォンでは基本的にこの設定が自動で決定されますが、一眼カメラではこの設定を自分で細かく決めることができます。極端なことを言えば、スマートフォンと一眼カメラの違いはそのくらいです。
つまり、スマートフォンと一眼カメラで写真を撮るまでの手間に多少の違いはあるものの、写真を撮るという機械という意味では大きな違いはありません。これは、心理的なハードルを下げるという意味で重要なことなので、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
その上で、今回の記事では上の写真で示した小難しい写真用語と、これから解説する基本設定のつながりを"何となく"理解できるようになることで、一眼カメラに対するハードルをさらに低くしていきます!
そのために、今回は基本設定の中でも特に重要な2つの設定を解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それは、早速いきましょう!
基本設定:まずはこの2つを覚えて帰ろう!
まずは結論から。一眼カメラを始める時、初心者がまず初めに覚えるべき基本設定は以下の2つです。
①シャッタースピード
②絞り
他にも色々と設定項目はありますが、この2つがとにかく重要です。それぞれざっくり解説すると、以下のようになります。
■ざっくり解説
①シャッタースピード …光をどれだけセンサーに当てるか。その時間の設定。
②絞り …光が通る通路の大きさをどの程度にするか。また背景の"ボケ具合"の設定。
まずは上記の説明で雰囲気をつかんでもらえたらと思います。どちらも光に関係していますね。ここからはこの2つについて少しだけ詳しく書いていきます。
①シャッタースピードとは
ざっくり解説では『光をどれだけセンサーに当てるか。その時間の設定』と解説しました。このシャッタースピードの設定を変えると、主に写真の明るさをコントロールすることができます。
シャッタースピードの考え方はシンプルです。簡単に考えてみましょう。
例えば…
①センサーに光を10秒当てた時
②センサーに光を1秒当てた時
①と②では、どちらの写真の方が明るく写るでしょうか?
…その通り!10秒当てた時の方が、写真は明るく写ります。
太陽をずっと見ていると、段々眩しく感じてくるのをイメージしてもらえば伝わりやすいでしょうか。
逆に、センサーに光を当てる時間を短くすれば、暗い写真を写すことができます。
このように、写真の明るさの設定ができるのがシャッタースピードです。ではなぜシャッタースピードと言うのか。単に"明るさ設定"などでは駄目なのでしょうか?
解説します。
一般的な一眼カメラには、シャッターというものが付いています。シャッターチャンスという言葉を聞いたことがありますよね。
シャッターとは幕のようなもので、撮影前など、センサーに光を当てたくない状態の時は、このシャッターがセンサーを隠しています。
撮影する時になると、このシャッターが開いて光を通すことで、センサーに光が当たって写真が撮れます。上の図の【1】の状態ですね。つまりシャッタースピードとは、具体的に言えば、このシャッターが開いている時間の設定です。
なので、シャッタースピードは秒単位で表されます。1秒、1/30秒、1/250秒などと表現されるのが一般的です。
ちなみにシャッタースピードの関係は以下の通り。
1秒 < 1/30秒 < 1/250秒
右に行き、分母の数字が大きい方がシャッタースピードが速いです。
シャッタースピードが速いほど、シャッターが開いている時間は短くなります。そうなると、センサーに光が当たる時間も短くなるので、結果として写真は暗く写ります。
シャッターが開いてセンサーの前から居なくなる時間。だからシャッタースピードと言うのですね。
※近年では物理的なシャッター機構を持たない、電子シャッターという仕組みのカメラも増えています。詳細は割愛しますが、スマートフォンのカメラも、電子シャッターを採用しています。
シャッタースピードのもう1つの役割
また、シャッタースピードを設定する理由として大事なのが、ブレへの対策です。
写真がブレる原因としては、主に以下の2つが考えられます。
①撮影中に"撮りたいものが動いている"場合
②撮影中に"カメラが動いてしまった"場合
センサーに光を当てている(=記録している)間に、撮りたいもの or カメラが動いてしまうと、それがブレとなって記録されてしまいます。
このブレへの対策としては、シャッタースピードを速くする=センサーに光を当てる時間を短く設定する事が有効です。
光をセンサーに当てる時間(=記録時間)を短くすれば、動いている物もほんの一瞬しか記録されないので、写真上では止まって見えるのです。
しかし、写真におけるブレは必ずしも悪ではなく、作者が意図していればそれは立派な表現です。つまりシャッタースピードは、ブレの調整ができると考えることもできます。色々試行錯誤しながら、シャッタースピードを設定してみてください。
②絞りとは
カメラの設定画面で、数字の頭にFが付いているものが"絞り"です。これをF値(えふち)といいます。F値のFとは「焦点の」を意味する"focal"に由来しています。
F値は、ざっくり解説で『光が通る通路の大きさをどの程度にするか。また背景の"ボケ具合"の設定』だと解説しました。
この光の通路はカメラのレンズ部分に存在し、本体からF値を設定することで、レンズ部の通路の大きさを変えることができます。
この際、光が通る通路を大きくすれば、カメラの中に入ってくる光の量が増えるので写真は明るく写ります。逆に通路を狭くすれば、光の量が減り写真は暗く写ります。
つまり、"絞り"の設定を変えると、写真の明るさをコントロールすることができます。
おや、おかしいぞと思いませんでしたか?写真の明るさをコントロールするのはシャッタースピードじゃなかったのか?と。
正解です。
写真の明るさは、『シャッタースピード』でも『絞り』でもコントロールできます。
ではその違いとは何なのか?例えばシャッタースピードをコントロールして写真を明るくしようとすると、シャッタースピードは遅く設定しないといけません。
シャッタースピードが遅いという事は、シャッターが開いている時間が長いということです。これは光をセンサーに当てる時間(=記録時間)が長くなるということなので、記録中に撮りたいものか、カメラが動いてしまうとブレとして表現されてしまいます。
このブレが意図したものであればいいのですが、例えばお子さんの運動会など、明るく撮りたいけどブレて欲しくない場面では困りますよね。
そういった時に"絞り"を調整します。光の通路を広げて光の量を増やすことで、シャッタースピードを速くしても明るい写真を撮ることができ、結果としてブレが抑えられた写真を撮ることができるのです。
絞りのもう1つの役割
そしてもう1つ、絞りには大切な役割があります。それは、背景の"ボケ具合"の設定ができるということです。
下に画像を用意しました。これらの写真は、カメラを三脚に固定して、同じ位置から同じものを撮影しています。絞りの変化に伴う背景のボケ具合の変化にご注目ください。
一般に"絞り"、つまり光の通路を広くすると、背景がボケやすくなります。
逆に光の通路を狭くすると、背景もくっきりと写るようになります。
これは、実現象としても体験できます。顔の前に指を1本持ってきて、目を思いっきり開いてから指だけを見ると、指の後ろの背景がボケて見えます。そこから目を段々細めていくと、徐々に後ろの背景もくっきり見えるようになるのです。
今回はボケの原理については割愛します。興味のある方は調べてみてください。
▼特に分かり易いサイト様
ここでは、通路が広いと背景がボケて、通路が狭いとくっきり写るという認識で問題ありません。
余談ですが、この通路を広くしていく操作を、絞りを『開ける』と言ったりします。また、通路を設定できる限界まで広げた状態を『開放』と言ったりします。逆に通路を狭くする操作を『絞る』と言ったりします。こういった言葉が自然と出てくるようになると、あなたも立派なカメラマンです!
それでは最後に、実際にカメラに表示される数値(F値)に置き換えて"絞り"を理解しましょう。下の写真を見てください。ここで通路の大きさと数値の関係に注目します。
・F値を小さい数字に設定=(例) F 1.4 =通路は広くなる
・F値を大きい数字に設定=(例) F 16 =通路は狭くなる
私は最初に写真の勉強をしたとき、この決まりが逆だったらいいのにと思いました。通路を大きく広げるのに、数字は小さくなるんかい、と。
私と同じ感覚になってしまった方、気持ちはとてもよく分かります。なので、ここでは逆に考えましょう。
通路が開いている状態がスタートです。つまり、通路は閉じていく方向に設定すると考えましょう。そうすれば、感覚的に分かり易くなります。
長くなってしまいましたが、最後に軽くまとめます。
ここまでの解説、実は自動で設定できます
ここまで延々と説明してきましたが、実は今までの設定は、カメラに自動で設定してもらうことも可能です。一眼カメラでも、例えばスマートフォンなどと同じようにすべての設定をカメラ任せにすることもできます。
しかし、カメラの基本を理解し、自分の決めた設定で理想の写真が撮れた時の喜びは唯一無二です。
そこでオススメなのは、シャッタースピードか絞りのどちらか一方だけを自分で決めて、もう一方はカメラに任せてしまうという設定方法です。この設定にするだけでも、自分の理想とする写真にグッと近づくことができます。
この片方だけお任せ設定は、SONY社製のカメラであれば『Sモード(シャッタースピード優先)』や『Aモード(絞り優先)』という設定にすればOKです。各カメラーメーカーによって微妙に設定の名称が異なるので、詳しくは取説をご確認ください。
おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。「この記事のゴール」の見出し部分で、今回のゴールは『初心者の方が感じているカメラへのハードルを少しでも低くする』ことだと書きました。
本記事を読んでいただいたことで、カメラの基本を何となくでも理解し、少しでもカメラに対するハードルが下がってくれたのであれば幸いです。
私は一眼カメラを始めた事で、以前よりも季節の変化を楽しめるようになりました。
春は桜を撮りに行こう。夏は花火を撮りに行こう。秋は色鮮やかな紅葉を。冬は空気の澄んだ満天の星空を。
小難しい用語を覚えた先には、その分だけキラキラした世界が待っています。
……考えるだけでも、ワクワクしませんか?
せっかく本記事に辿り着いてくださったのも何かのご縁。まだ一眼カメラを持たれていない方も、興味があればこの機会に一眼デビューを考えてみてはいかがでしょうか。
あなたの日常がもっと印象的で、ちょっとだけ特別な日々へと変わっていきますよ。
長くなりましましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
今年も気が付けば年末。あっという間でしたね。2024年がみなさまにとって、幸多き年になりますように!
それではまた次回の記事で。PonkotsuPhotoでした。